B.W.C. Ron Power Cuctom GRAND MASTER DELUXE 1986 UNIVERSAL MODEL
この製品はRock Field ArmoryのRicoさんが購入希望者を集めBWCにモデルガン化を依頼した物の第3弾で、一作目はジム・ボランドの9mm(メジャー(ゆも庵へのリンク)、2作目はロン・パワー・カスタム グランドマスター(ゆも庵へのリンク)
グランドマスターの購入希望者を募っているときに、ユニバーサルモデルが欲しいという人が私を含め複数名いたので製作することになりました。
当初グランドマスター15挺、ユニバーサル5挺の予定でしたが、グランドマスターは20挺、ユニバーサルもパーツは12挺分用意したようで販売数は不明。
1986年の週刊プレイボーイ誌に掲載されたイチロー・ナガタ氏によるカスタムガン・カレンダー。これでユニバーサルの存在を知りました。
以前にゆも庵でこのカレンダーの紹介されていた時、行方が分からなかったが後に発掘されました。当時コンバット・マガジン誌は立ち読みしかしておらずロン・パワーのグランドマスターはカタチを知っている程度だったのですが、このユニバーサルには一目惚れでした。
後にコンバット・マガジン別冊の「ハンドガン」でユニバーサルが大々的に紹介されているのを知り購入。
トイガンの主流はエアソフトガンになり、このようなカスタムガンのモデルガンが発売されるようなことは無いと期待することもなく諦めていました。
それでRicoさんの話に乗ることになります。2020年11月のことです。
当初の販売予想価格はグランドマスターで20~23万(税込)、ユニバーサルはそれに加算されるのは当然として3~4万位で自分では勝手に25万位と予想してました。
Rock Field Armoryで時折更新される途中経過を見てはリブサイトがアルミからステンレス、サイトが亜鉛から鉄への変更など、価格が上昇せざろうえないことばかり書かれ、結局グランドマスターは24万となりユニバーサルは32万である。流石にキャンセルしようかとも考えました。
何せタナカやマルシンのモデルガンなら10挺、松栄でも2挺は買える金額である。買っても買わなくても後悔することは確実と思い、今まで後悔ばかりの人生でこれ以上後悔することは増やしたくないのだが、買って後悔する方が精神的ダメージは少なそうだと、但し財布へのダメージはとんでもなくて、多少はユニバーサルの為に貯金はしていましたがその前にあれこれと買ってしまったので余り崩したくない貯金を使う破目に。
ユニバーサルのモデルガンが届いたという興奮で前回の記事だが、32万ということ考えると萎える部分が多々ある。
先ずは段ボール。グランドマスターも段ボールだから予想はついたが、9mmメジャーはプラのガンケースに入っていて専用の説明書も付いてきたが、マルシンM586の説明書も付かずホーグのグリップの説明書のみ。六角レンチもコンプを固定する為の物のみで、リブサイト固定用やリアサイト調整用の物は付属しない。
ユニバーサルの特徴であるコンペンセイターなのだが、ステンレス製でこれだけでも90g以上ある。
困ったことにコンペンセイターを付けて箱に収めようとすると、無理やり押し込まないといけない。
段ボールを留めているホッチキスでグリップにキズつけそうなのでプチプチを挟んでいます。
そしてコンペンセイターを付けて構えると、前方がやたら重くてバランスが悪い。重いモデルガンを持って嬉しくない気分になったのは初めてである。
リブサイトを取り外すとM681の固定のリアサイトの後方部分が再現されている。
イチロー氏のユニバーサルはバリゲートシューティングの時にバレルをつかみやすくするためリブサイトを後方へ下げている。
リブサイトの取付位置を、通常と後方寄りの両方出来る様にして欲しいという要望は受け入れてもらえた。
コンペンセイターを付けリブサイトを後方にした「ハンドガン」で見たユニバーサルのスタイル
バレル下には「~1986 FOR ICHIRO ~」の刻印がある。
このスタイルにするとグリップが違うことが悔やまれる。それとAimpoint2000が付けたくなるが、今更マウント込みで同型が手に入るとは思えない。
リブサイトが後方に来たことで重量のバランスが若干であるがまともになる。
カタチとしては中途半端であるが、この形態が持った時のバランスが1番良い。
32万の内訳は分からないが恐らくリブサイトだけで10万超えていそうで出来映えの良い所は当たり前で感心することはなく、価格に見合わない部分ばかりが目に付く。
ステンレス部品の側面の仕上げは良くは無い。もしかしてツールマーク残っている方が、モデルガンマニアは喜ぶと思われているのか。
塗装面の厚さの為を考えると、バレルの刻印はもう少しだけ太くても良かったかも。
シリンダーを見ると隔壁削除加工されているので、ベースは2017年再販モデルだと思われる。
付属のマルシン純正のカートリッジはプライマーはアルミ製、7mmキャップ専用で空撃ち用のスプリングは付いていません。
ロッキング・システムがと言う前に、ヨークの入る部分のフレームに「MOD.681」の刻印が無いのが気になる。
シリンダーに塗装のムラが有るのがわかるでしょうか。
トリガーストップがあった穴を埋めた跡がある。
イチロー氏と同じカスタム・グリップの再現は出来なかったが換わりに、ホーグの市販のグリップを付けることは注文前に分かっていたことだが、とりあえず綺麗な木目の物が付いてきたので許せる部分もあるが、やはり同タイプのグリップが欲しくなります。
ステッピングは上手く再現されているが、見た目より滑り止め効果は無い。材質や加工の仕方の違いだろうか。
マルシンのメカニズム
金型のエジェクタピンの跡は、ハンマーを薄くしても消して欲しかった。
ホーグのグリップを付ける為、フレームの両サイドを0.5mmずつ削ってある。実銃もこの部分の仕上げは余り良くないが。
MGCのパワーカスタムと余り比べてはいけない気がする。
イナーシャセンスの7ショット・シリンダーを付けたM586と、マルシンをカスタムしたユニバーサル
マルシンからも4と6吋、仕上げ以外のバリエーション展開して欲しいものです。
32万でその殆どが工賃であろう、生産数も少ないしそれだけ手間が掛かったということだろう。配送料は別途、着払いであった。
32万からサービスするつもりは無いと言うことだ。
ユニバーサルが今回のような発売方式では無く、普通にGun Professionalsの新製品紹介で告知されても、32万と言われれば諦めていたでしょう。
趣味の物に対しての価値というのは人それぞれで、同好の者同士でも大きく異なる。この記事を読んだ人がどのように判断するかもそれぞれであろう。実際の購入して手にとった私からの意見としては、やはり随分と高い買い物してしまったと思うことがユニバーサルのモデルガンを手に入れた喜びを上回っていることが残念だ。