HWS 九四式自動拳銃
今回は予告通り、皇紀2670年に蘇ったHWSの九四式自動拳銃です。皇紀2594年の頭脳の結集は、どのように再現されているのでしょうか。
初めて買ったGun誌は1980年11月号で、第一特集はイチロー氏のネイビールガーでした。6inルガーに憧れ、発売から随分経ちましたがマルシンの金属モデルを入手した時は、当時の興奮が蘇ってきたものでした。
その号でJack氏は「日本軍の拳銃(26年式、14年式、94式)」を、テキサスでターク氏とヒロシ・アベ氏をゲストにレポートしたものでした。
旧日本軍の銃を現代の(といっても30年前ですが)テキサスの砂漠で、日本人がサングラス・Tシャツ・ジーンズで構えている写真が、不思議な感じがしました。
当時日本軍の拳銃は、LSからプラモが発売されていた14年式しか知らず、26年式と94式は、この記事で初めて知りました。九四式は今までに知っていたどの銃にも似ておらず、記事の「皇紀2594年に開発されたコンピュータ・ピストル」と書かれていると、そう思えてしまうその奇妙なカタチをしたGunは、Jack氏の独特のレポートと相まって、何とも気になる銃でした。
Jack氏は九四式のこと「噛めば噛みほど、見れば見るほど味が出てくるGUN」と書いており、この初めて買ったGun誌はそれこそ何度も読み返していたので、まさにそのとおりに私もいつしか、コレもカッコイイじゃないかと思うようになり、モデルガンで発売されて欲しいと願うようになりました。
それでモデルガンではありませんが、六研のヴィンテージ・コレクションが欲しいと思うようになるのです。ブラックホールで買うことは出来なかったのですが、後に赤羽フロンティアの店頭で見かけたことがあります。でも結局買わなかったのです。ブラックホールの六研ブースでは、購入者に六研のキャップをプレゼントしていたのですよ。黒いキャップに赤字で「六研」の文字が刺繍された物でした。それに購入していったお客さんが六人部さんに箱にサインをもらっていたの見て、「うわぁ~何か買いたいけど買いたい物(買える物)がない」と思い悩んだのでした。それでプロンティアで買ってもキャップもサインも付かないし、値引きもされていない。ベアキャットを購入して金銭的な余裕がないし、S&W MODEL No.3も持った時のスカスカに軽いという記憶もあって断念しました。
後にこの趣味から離れて、戻ってきてからしばらくして頑住吉の存在を知るのですが、そのころには九四式の販売は終了しておりました。他にADVENの文鎮がありますけどね。これは重いでしょうけど文鎮にこの値段は中々だせないですよね。
HWSは2009年1月に古式銃レプレカ・モデルガン・シリーズとして、テキサス・パターソンを発売してから11月にコルト・ウォーカー、今年2月にコルト・ドラグーンと新規金型で次々と発売していき、コルト1860アーミーの発売も発表された。ウェスタン・アームズはその名前をハート・フォードに譲ったほうがいいのじゃないという勢いでしたが(ハートフォードという社名が合っていないという訳でないです)、今年7月号のGun誌の広告でビンテージ・レプリカ・モデルガンシリーズ第一弾として九四式自動拳銃を発表しました。
モデルガンの人気が徐々に回復してきたとはいえ、正真正銘のモデルガンとして九四式は発売されることはないのじゃないかと思っていましたので、この発表には嬉しくてすぐさまマルゴーで予約しましたよ。9月下旬発売予定が少しおくれましたが、10月18日に入荷の連絡あり、引き取りに行きました。
ショーウィンドウに飾ってあった物も、奥から出してきてもらった物も、金属部品にはキズが入っていました。殆どの個体がそのようです。
本体の材質は強化プラスチックとなっており、ABSとはまた違った素材なのでしょうか、マット・ブラック仕上げで実銃のザラザラ仕上げな感じも出ていますが、モデルガンとしては綺麗な物が欲しいです。
フレームの2本のネジはトリガーとハンマーを止めるものですが、Gun誌でレポートしたものはネジの頭がフレームと面一ですが、HWSでは頭が出ています。強度の問題かもしれません。
マガジンを抜くとマガジン・セフティが起き上がり、トリガーを直接ロックします。
お尻でっかちなデザインなので、厚みもあるように思われますが、もってみると実際の幅は薄くて驚きます。十四式は逆に、ほっそりしたバレルがフレームも薄いと思ってしまいますがグリップが角ばっていて、思ったよりも厚く感じます。
6条のライフルリングが再現された奥は銃口内は貫通されておらず、銀色のインサートが塞いでいます。
フロンサイトは金属製の別パーツなのは、嬉しいところです。
スライドを少し引くとロッキングブロックが下がるのが見えるので、これだけでメカメカしい感じがして何か嬉しいです。
悪名高き、むき出しのシアバーをトリガーを引く前に押した人は多いのではないでしょうかw
こう見ると十四式のようなボルトの様でそうでなく、ストライカー方式の様でハンマー内臓という、それが九四式。
安全装置は十四式より、まともな位置に付いていますが、ガバみたくグリップしたままの親指で解除とはいきません。
マガジンだけはピカピカのメッキ仕上げ。カートがボルトネックなので、次弾で押しながら入れようとすると引っかかるので、ローディング・ボタンを下げれば、スムースに装填出来ます。
グリップは厚みもないので握りやすいが、私の手だと小指が余るのでフィンガーレストが付いていたらと思いますが、説明書に当時(1934年)の30歳男性の日本人の平均身長161cm,平均体重54kgということを思い握ってくださいとあります。
八ミリ南部のダミーカートは雰囲気の良い箱に入っています。ブレットはネジ止めされているので、使用していると緩んできます。
立ててある真ん中の銅色のブレットのはハドソン十四式用のダミーカート、同じ八ミリ南部弾なのだがHWSより小さく、別冊Gun Part1で比較するとHWSの方が正しいです。右端はMKKベビーナンブ用七ミリ南部弾のダミーカート。
分解時にクロスボルトを押し出す用の抜き棒がついえいるのですが、なぜかPFCのローダーと同じ形をしていますw
皇紀2594年の頭脳の結集というべき、ハンマー上端部のローラーも再現されています。
分解・組立の方法は説明書に詳しく書かれているので、特に難しいことはないです。
トリガーとハンマーの間にはシアバーしかないです。ゴツゴツとしてメカメカしい外観と違って、部品点数が少なくくシンプルです。
分解して初めて、グリップは金属製だと判りました。
当時の将校用拳銃として自費調達されていたコルト32オートとブローニングM1910。
Wikipediaによると当時、九四式は嚢、柵杖、予備弾倉付きで一挺50円(HWS ¥25,600)
コルト32オートは100円(CAW \19,800)
ブローニングM1910は昭和3年頃、本体のみ40円(マルシン ¥12,500)
現在のモデルガンの価格も書きましたが、金型を買い取り修正した物だったり再販の物と、新規金型の物を比べられないですね。
日本軍の拳銃を揃えて。こう見ると小型拳銃として開発された九四式ですが、あまり小さくみえないですね。持ってみると幅の薄さで小さく感じるのですが。
HWS 九四式は売れている様で、ビンテージ・レプリカ・モデルガンシリーズ第二弾にも期待が高まります。もしかしてHWSはハドソン十四式の金を持っていて、HWで発売とかしたりして?私としては九四式と共にレポートされていた、二十六式を発売を願っております。