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2010年5月 9日 (日)

MGCをつくった男/MGC創立50周年記念モデル NATIONAL MATCH SEMI-CUSTOM 

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今回は昨年12月に発行され、JUMOさんTDF MRIさん等のブログで、既に多く取り上げられている「MGCをつくった男」とMGC50周年記念モデル ナショナルマッチ セミカスタムを紹介していきます。

新日本模型・MGCが平成18年12月20日に工場取り壊しによる休業をしてからも、会社は存続しNEW MGC福岡店のHPには、極少数ながらも新入荷の商品があったりすると、まだNGCは終わってはいないと、ちょっとだけ安心した気持ちになれたのですが、昨年9月に、マルゴーのブログでMGC50周年記念刻印モデルが出ると知った時は、MGC本体が解散してから15年にもなり、こんな状況で、50周年記念と言って良いものかと思っていました。

ホビージャパンMOOK320「MODELGUN DIGEST」の巻末のプレゼントページに紹介されていた「MGCをつくった男」活動50周年を迎えて発行とあり、これは是非とも読んでおきたいとNEW MGC福岡店に電話で注文。本代は¥700だが、それより高い¥787の送料手数料を払って購入しました。

50周年記念モデルと「MGCをつくった男」の発行で、ひょっとしたらMGCは50周年を機に復活までは行かなくても、もう少し活動的になっていくのではないかという淡い期待も、読むまでは持っていました。

しかし、MGCをつくった男・神保 勉氏の幼少期からMGC創業から解散までを綴った後には「新日本・NGCは平成22年4月30日にて工場閉鎖をします これまでのご利用有難う御座いました」とあり、ガバメント・トンプソン・ニューローマンの金型売却案内と、この機にNEW MGC福岡店の店舗を除き、MGCの活動を終了を告げるものでした。

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そうともなると、あまり興味がなかった50周年記念モデルでありますが、MGC製品を新品で購入するのも最後になりそうで、それに相応しいであろうと購入しようと決めました。先のチラシには載っていなかったナショナルマッチ セミカスタムが新日本模型・MGCのHPにあり、ノバックサイトのガバはMEUがあるし、今後、GM7を購入する時もノバックサイトのものになりそうなので、ボーマーサイトのガバが良いだろうと。カタチは大分違えど、MGC20周年記念モデルもナショナルマッチ(GM4)・ベースじゃないかと。

購入する決意は決まってもマルゼンP99ハドソンDE50と立て続けに購入していたので、買い渋っており、通販だと送料も掛かるので、少しでも安く買いたいとマルゴーに問い合わせても、昨年12月の段階では入荷の予定がないとのことで、NEW MGC福岡店のHPを見れば残り2挺となっており、これはすぐに買わねばとカゴに入れたのでした。

限定品で、工場も4月で閉鎖するというのに、ナショナルマッチ用のパーツ表が付いてきたのは意外でした。第2次大戦記念モデルは専用パーツの別売りは出来ませんという注意書きがあったのですが。

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S'80の刻印のモデルガンも持っていないというのも、購入の決め手でした。幅の広い斜めのセレーションの入ったスライド、S'80刻印、ボーマーサイトの組み合わせのコマンダーカスタムがあったのは記憶してますが、この組み合わせの5inスライド・モデルがこれ以前に発売していたかどうかは不明です。

50周年記念モデルの中でもナショナルマッチとコマンダーは生産数が少ないと思い、無理してでも慌てて購入したのですが、今年に入るとマルゴーに入荷していたり、福岡店で売り切れになったと思ったら、再入荷して現在でも購入可能となるとちょっと先走りし過ぎた感はありますね。

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ナショナルマッチ セミカスタム購入時にも「MGCをつくった男」がサービスでついて来て、保存用が揃ってしまいました。

真っ黒いガバも色気がないしMEUもあるので、バレルをBARSTO刻印のシルバーバレルが残り一本だったので、同時に購入しました。 グリップパネルは、とりあえず ナショナルマッチ ロングスライド セミカスタムに付いてた木目プリントのプラグリップを付けてます。今のところ手持ちのグリップではこれが一番しっくりいっているような。

これまで、MGC製品を数多く手がけた小林太三氏については、辰巳出版の「モデルガン・グラフティ」や雑誌等でインタビュー記事を目にすることも多く、その人物像や制作秘話を知ることが出来たのですが、MGC創業者の神保氏について、初めてその想いを知ることが出来、興味深い内容でした。

MGC製品については、当時の広告は載せてありますが、それについてはほとんど語らず、MGCという会社をつくった男として、創業から、行政指導・規制を乗り越え、映画・TV界の提供や、多くの提携や契約をして、万博出展からJAPANビアンキカップ開催をし、平成8年12月5日付けで清算し、株式会社MGCを解散を決定したで終わる。一つの時代を作り、やりきった男の記録というような内容であります。

それから13年半、MGC製品は生産・販売され続けましたが、それには触れておりません。台東商事や新日本模型と神保氏がどのように関わっていたかは判りませんが、書いてないということは、氏にとってはMGCは既に終わっているものだったのでしょう。

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一番多く触れていることが、規制についてであります。
「モデルガン」という名前を付け、それで商売をして従業員を雇い、まさに勝負を掛けていった物が規制により存続を脅かされて、裁判で戦っていったというのは、規制後にモデルガンの興味を持ち始めたに過ぎない私には判りえないことであったと思います。

モデルガンが金色であったからこそ興味を持ち始めた私でありますが、規制の事実を知るようになると、またいつしか規制があるのではないかと、それに向けて何か出来ることはないかとモデルガン愛好家協会に入会していました。

「モデルガンは弾の出ない安全なおもちゃ」でありますが、ユーザーの多くの関心が銃口より先の世界へ行ってしまい。モデルガン・メーカーも商売でありますから、エアソフトガンを中心に販売していくようになると、モデルガン愛好家協会も活動を休止してしまいました。それ以降、エアソフトガンの発売禁止や規制はありましたが、46年・52年規制についての話題が雑誌でも取り上げられることもなく、今回「MGCをつくった男」を読んで、久しぶりに思い起こすこととなりました。

エアソフトガンのパワー規制というは銃刀法以前に業界の自主規制によって、抑えられなければいけなかった問題ではなかろうか、モデルガンとエアソフトガンは別物であるが、こういったことは46年・52年規制が忘れ去られてきたからではないかと思ってしまう。

最近のモデルガンでも、タナカやコクサイのリボルバーのシリンダーのインサートが極めて小さくなっています。樹脂製リボルバーのシリンダーインサートは自主規制で無くても良い物なのですが、見た目としては小さい方が良いけど、これで良いの?という矛盾した気持ちが湧いてきてしまいます。80年代ごろからモデルガンのマズルにもライフルリングが再現されるようになってきた時に、これによってバレル内のインサートが奥まってしまっているのではないか、という指摘が雑誌の読者欄に書かれたこともありました。よりリアルなモデルガンは当然、欲していますが、それが規制の呼び水にならないようにしてもらいたいです。海外のトイガンのように銃口が赤くなるより、WAのSAAの様なバレルインサートの方が、はるかに良いです。

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MGCはカタログや販促用の冊子等に力を入れてきて、こういった面でも私達を楽しませてくれてました。

ここに来てモデルガンの新作も発売されるようになってきたのであるが、ハドソンに引き続きMGCも幕を閉じてしまうのは寂しい限りであります。現在活動中のメーカーは、さらに魅力ある商品を販売して、楽しませて欲しいものであります。

それをまた伸ばしていくかどうかは、私達ユーザーであります。新作のモデルガンが発売されても、中古ばかりに手を出していたら意味はありませんし、馬鹿な使い方をすれば、規制への引き金となってしまうことを忘れてはいけません。

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コメント

こんばんは。
当時、メーカーはもとよりモデルガン協会、ファン、誌面の業界が結束していたからこそ第三の規制が訪れなかったのかもしれませんね。
「安全対策に力を入れすぎたようだ」と言わしめたWA SAAも正解だと思います。

MGCは幕を下ろしてしまいますが、その全盛期に「100%安全性なモデルガン」を謳ったスピリッツは残されたメーカー達にも引き継がれて欲しいものです。

ちなみにモデルガン愛好家協会ニュース3枚目、氷川丸の船内でM76を手に持つアポロキャップの少年が当時のVanVeenということは秘密だヨw

>VanVeenさん
こんばんは、コメントが遅くなり申し訳ありません。

「モデルガンはなぜ危険なのか」の執筆メンバーの豪華なことか。現在これ相当のメンバーを集めることは不可能でしょうね。
組合も3つに分かれてしまいましたが、いざと言う時に、どれほど結束できるか心配です。

規制から逃れた樹脂製モデルガンですが、表面処理をすれば、昔の黒い金属製モデルガンよりリアルなのですから、インサートはもう少し目立っても良いと思います。

「100%安全な設計」というのは宣伝文句でしたからね。大きく掲げなくても、モデルガンを製作する限り、このスピリットは無くては駄目ですね。

VanVeen少年を確認してしまいましたw
顔が写ってなくて残念ですが、きっとM76を持って良い表情していたのでしょうねw

ハドソンについでMGCも・・ですね~関係ないかもしれませんけど野球で言うトコの近鉄バファローズファンとオリックスブルーウェーブファンも同じ様な気持ちだったのかな?(;_;)当たり前の様に存在してたモノがある日突然消えるのって悲しいですよね。時代の移り変わりなんて言葉じゃ割り切れない気持ちになります。無念な想いで手放した金型や知識がそれを引き継ぐメーカーや志しを持つスタッフによって廃れない事を願います・・中古ばかりあさらずにたまには定価で新品も買わなくちゃ・・・ね・・・

50周年記念モデルを出して解散とは・・・、なんか皮肉ですよね。
WAはMGCのM4の金型をガスブロ・エアガンに使用しているのでモデルガンも出してもらいたいのですが社長がアレなので(笑)

タニコバとマルシンみたいに技術提供とか協力しあっていければ良いのですが。


しかしGM7は高いな。お安くするとはインタビューで言ってたのに・・・

こんばんは。
自分も本書はMGC福岡店へTELし、通販購入しました。当時のモデルガン規制に対する著名な方の主張には、芸能人がトイガン趣味を隠すような現在からは想像出来ないほどの熱さを感じます。金属製のM97やMJQ、C96、P-08、HSCなどの金型がどうなってしまったのか、とても気になっています。
トイガンというマイノリティの中でも、さらに少数派のモデルガンですが、今後も楽しんでゆきましょう!

p.s.遅ればせながら、リンクは貼らせていただきました。今後ともよろしくお願いします。

>SS32オートさん
全盛期のMGCは、読売巨人軍みたいな存在で、それこそ「永遠に不滅」だと思っていましたが。
MGC本体が解散後15年も、バリエーション展開でやってこれたのも、多くの名作があってこそで、その金型は活かして欲しいものです。
これからも、新品で欲しいと思えるモデルガンが発売することを期待したいです。

>エルダムさん
50周年記念モデルは、最後の打ち上げ花火みたいなものでしたね。
WAはベレッタ独占契約メーカーなら、M92系の金型を買ってモデルガンを出さないといけないと思うのですが、現実は・・・。マルイが新作モデルガンを発売するくらい市場が活性化しない限り、WAはモデルガンをまた発売することはなさそうですね。
GM7の第二弾ベーシックは、少し下がりましたけど。後は限定物ばかりで、まだまだ手の出しにくい価格ですね。

>TDF MRIさん
こんばんは。
TDF MRIさんが「MGCをつくった男」を取り上げた時は、コメントのタイミングを逃してしまいました。MGCという会社をつくった男は神保氏で、MGC製品をつくった男が小林氏になるのでしょうが、トイガン人生を終える前に、設計した物全てについて語った本を出して欲しいです。
MGCは金属製品にも、多くの傑作がありましたけど、本体解散時に処分されているのではないでしょうか。
リンク、ありがとうございます。後ほど、私の方からもリンクさせていただきます。

50周年記念モデルは何も買わずにきてます。
ひょっとすると記念モデルを買っちゃうとMGCの廃業を認めるような気がするためかもしれませんw

神保氏の「MGCをつくった男」は私の知らないMGCの誕生から万博までの歴史を知ることができて有意義な本でした。
できれば私がリアルタイムで知っているチャレンジャー創刊から廃業までの部分にもう少し誌面を割いて欲しかったところです。

MGCの看板を上げているMGC福岡には末永く存続していただきたいです。

>Jumoさん
私は最初、MGC50周年記念といっても、本体は解散して既に終わってるようなもので、歓迎できませんでしたが、今まで50年間頑張ってきたということを認めて買うことにしました。
「MGCをつくった男」は今まで知ることのなかったMGCの歴史の一面を知ることが出来て良かったのですが、長い歴史の間にはもっと様々なことがあったと思うので、全体的にもう少しボリュームが欲しかったところですね。
NEW MGC福岡店には一度、行って見たいですが、実現は難しそうです。

MGCの消滅は非常に残念ですが業界第一位シェアメーカーだったと言うおごり?イケイケ感も?あったのではないでしょうか?当時関西にはMGC神戸とWA神戸店が同じビルのワンフロアを共有してた時代がかってありしてその当時関西ではまちがいなく最大規模だったと思います。ただ以前ここでも書いたと思いますが中学生の僕が新品購入したローマンの調子が悪くなんとなくクレームを言ったら店員に凄まれたのもこの店でしたよ・・泣きそうになってたら隣りのWA神戸店のHさんが俺が見てやる!と・言って調整してくれたの思い出します・・・各店舗の対応がそうだったと思いませんがね・・やはり顧客第一主義じゃないメーカーやショップは確実に衰退しますよね・・でもMGCの消滅は悲しいです・(ノ_・。)

>SS32オートさん
その店員の対応が悪かっただけのような。ちょっとしたことで全体の印象を悪くすることはありますけどね。
MGCは顧客第一主義ではなかったのでしょうか。全盛期のイベントは入場無料でセール販売をしてましたから、利益率は良くないですし、モデルガン愛好家協会は会費はカンパ制でしたので、MGCなしでは運営出来なかったと思います。
MGCが解散したのは、タニコバさんが抜けたのが大きいでしょう。グロックは大ヒットしましたが、それ以降の商品が不良も多くて売れなく、解散したと神保氏は書いています。

消滅したMGC製品はどの程度復活するのか興味あります。Mー1カービンやMー2やトンプソンなど復活すると個人的には嬉しいんですけどね('-^*)/

>SS32オートさん
トンプソンは復活する可能性はありそうですが、M1・M2は金型が現存しているのでしょうか?
モデルガンの金型を買った所は、モデルガンとして復活させて欲しいものです。

訴訟同盟の通称「赤本」をよく保存していましたね。深く、関係していて私としては、感無量であります。MGCの功績は、戦後日本文化の一つとして刻まれてもおかしくはありません。MGCが時代の波に包まれて埋もれてしまうことを悲しんでもいましたが、偶然にこのPageをヒットして読むと、MGC本体が行わなければならない、内用。感謝の言葉「ありがとう」と供に、貴男のようなファンに支えられていたことを最高指導者に伝えます。

>greenlight357さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
規制後のファンである私が書いた物を、褒めていただいて恐縮であります。
最近、モデルガンの人気が少しづつでありますが回復してきているなか、エアソフトガンからの新しいユーザーを増えてきてると思います。そういった方々に、2度の規制を乗り越えて今のモデルガンがあることをわかって欲しいものです。

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