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2010年5月30日 (日)

HUDSON NORTH AMERICAN ARMS MINI-DERRINGER

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タイミングを外しておりますが、およよさんがNAA倶楽部を立ち上げたり、VanVeenさんが2月15日の記事で取り上げたりしていたので、遅ればせながら便乗致します。旧ABS製やフォールディンググリップ付を持ってないので、インパクトもありませんけど毎度の様に紹介していきます。

ノースアメリカンアームズ(NAA)のミニ・リボルバーを知ったのはGun誌1981年4月号の記事でした。こんな小さいリボルバーあるのか面白いな~とは思いつつ、モデルガン化されるとは思ってもいませんでした。

Gun誌1981年10月号の新製品紹介にはCMCのレミントン・ダブルデリンジャーとハドソンのハイスタンダート・デリンジャーが登場。その後、コクサイからコルト・ポケットマルシンからコルト.25オート、ハドソンはレミントンダブルデリンジャーと、ベイビーブローニングと立て続けにポケットガンが発売されて、小型化の波はついにNAAのミニ・リボルバーの発売にまで到達しました。

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Gun誌1982年11月号の広告より
PPh-41、マドセン、AK-47と、このラインナップこそがハドソンですね。

正しい名前は「ミニ・リボルバー」ですが、「ミニ・デリンジャー」の名称で発売されました。「デリンジャー」はこういう小さい銃の総称になってますね。私もこの記事を書くために色々みていたら「ミニ・リボルバー」が正解と知りましたが、「ミニ・デリンジャー」の方が馴染み深いです。

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Gun誌1996年12月号の広告より

ABS製のミニ・デリンジャーも買おうかと思ったこともありますが、欲しかったシルバーメッキ(ホルスター付)¥5.250。決して高くはないですがこの金額でもマルシンのキット他、色々選択肢があって結局買わずじまい所、1996年に完全新規設計で発売というこの広告を見たときには、相変わらずハドソンは面白い物を出すなと思いましたよ。

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ABSモデルを買い逃したので欲しいかなと思いつつ、価格が倍以上になったので高い気がしてしまい。まぁ、そのうちにと思って10年以上経ってしまった2008年秋頃には、店頭でも見かけることが無くなってきたので、今のうちにと文功堂さんにて購入しました。

この後、2009年4月には再販されておりますが、ハドソン営業停止の際にはバックル付が¥5,000で安売りされておりました。

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22ショート・サイズのダミーカート。底部には「A」の刻印があります。

シルバーのケースは本物の22LRの空薬莢で、ハドソンNAAのシリンダーに収めると、少しゆるいです。

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ABSモデルはメカにアレンジがされていたが、作動は芳しくなかったそうですが、この金属モデルはシリンダー・ハンド・スプリングの形状が少し違うぐらいで、実銃のメカニズムを忠実に再現してあり、作動が驚くべきほどにスムーズです。当たり前でなくてはいけないのですが小さいシリンダーが「スルッ」と回るのは気持ちいいです。

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上記の広告から「上級者以外は分解しないで下さい」と書かれているので、モデルガン歴は長いつもりでいても、はたして自分は上級者なのかと思って躊躇してしまうのだが、説明書には組立のポイントも書かれているので、問題もなく組立出来、上級者になれましたw

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HWSのレミントンハドソンのハイスタンダートと比べても小さく、しかも5連発というのは頼もしいですが、こういう実銃は持ち歩きするような生活でなくて、プリンキングで遊びたいです。

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どうせならばとバックル付を購入しましたが、バックルを付けられるベルトを持ってないので、お飾り用です。でもベルトに付ければ旅行にも荷物にならず、いつでも一緒というのも楽しいかもしれません。NAA倶楽部のオフ会の目印は、このバックル装着ですかね、およよさんw

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このNAAの金型はどこかに引き取られてのでしょうかね?小さすぎて目立ちませんが、他確かにこれは傑作ですので、このまま埋もれていくのは惜しいです。引き継いだメーカーは、グリップ他、レ-ザーサイトやバヨネットのオプションを展開してくれるのと嬉しいのですが。 

2010年5月 9日 (日)

MGCをつくった男/MGC創立50周年記念モデル NATIONAL MATCH SEMI-CUSTOM 

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今回は昨年12月に発行され、JUMOさんTDF MRIさん等のブログで、既に多く取り上げられている「MGCをつくった男」とMGC50周年記念モデル ナショナルマッチ セミカスタムを紹介していきます。

新日本模型・MGCが平成18年12月20日に工場取り壊しによる休業をしてからも、会社は存続しNEW MGC福岡店のHPには、極少数ながらも新入荷の商品があったりすると、まだNGCは終わってはいないと、ちょっとだけ安心した気持ちになれたのですが、昨年9月に、マルゴーのブログでMGC50周年記念刻印モデルが出ると知った時は、MGC本体が解散してから15年にもなり、こんな状況で、50周年記念と言って良いものかと思っていました。

ホビージャパンMOOK320「MODELGUN DIGEST」の巻末のプレゼントページに紹介されていた「MGCをつくった男」活動50周年を迎えて発行とあり、これは是非とも読んでおきたいとNEW MGC福岡店に電話で注文。本代は¥700だが、それより高い¥787の送料手数料を払って購入しました。

50周年記念モデルと「MGCをつくった男」の発行で、ひょっとしたらMGCは50周年を機に復活までは行かなくても、もう少し活動的になっていくのではないかという淡い期待も、読むまでは持っていました。

しかし、MGCをつくった男・神保 勉氏の幼少期からMGC創業から解散までを綴った後には「新日本・NGCは平成22年4月30日にて工場閉鎖をします これまでのご利用有難う御座いました」とあり、ガバメント・トンプソン・ニューローマンの金型売却案内と、この機にNEW MGC福岡店の店舗を除き、MGCの活動を終了を告げるものでした。

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そうともなると、あまり興味がなかった50周年記念モデルでありますが、MGC製品を新品で購入するのも最後になりそうで、それに相応しいであろうと購入しようと決めました。先のチラシには載っていなかったナショナルマッチ セミカスタムが新日本模型・MGCのHPにあり、ノバックサイトのガバはMEUがあるし、今後、GM7を購入する時もノバックサイトのものになりそうなので、ボーマーサイトのガバが良いだろうと。カタチは大分違えど、MGC20周年記念モデルもナショナルマッチ(GM4)・ベースじゃないかと。

購入する決意は決まってもマルゼンP99ハドソンDE50と立て続けに購入していたので、買い渋っており、通販だと送料も掛かるので、少しでも安く買いたいとマルゴーに問い合わせても、昨年12月の段階では入荷の予定がないとのことで、NEW MGC福岡店のHPを見れば残り2挺となっており、これはすぐに買わねばとカゴに入れたのでした。

限定品で、工場も4月で閉鎖するというのに、ナショナルマッチ用のパーツ表が付いてきたのは意外でした。第2次大戦記念モデルは専用パーツの別売りは出来ませんという注意書きがあったのですが。

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S'80の刻印のモデルガンも持っていないというのも、購入の決め手でした。幅の広い斜めのセレーションの入ったスライド、S'80刻印、ボーマーサイトの組み合わせのコマンダーカスタムがあったのは記憶してますが、この組み合わせの5inスライド・モデルがこれ以前に発売していたかどうかは不明です。

50周年記念モデルの中でもナショナルマッチとコマンダーは生産数が少ないと思い、無理してでも慌てて購入したのですが、今年に入るとマルゴーに入荷していたり、福岡店で売り切れになったと思ったら、再入荷して現在でも購入可能となるとちょっと先走りし過ぎた感はありますね。

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ナショナルマッチ セミカスタム購入時にも「MGCをつくった男」がサービスでついて来て、保存用が揃ってしまいました。

真っ黒いガバも色気がないしMEUもあるので、バレルをBARSTO刻印のシルバーバレルが残り一本だったので、同時に購入しました。 グリップパネルは、とりあえず ナショナルマッチ ロングスライド セミカスタムに付いてた木目プリントのプラグリップを付けてます。今のところ手持ちのグリップではこれが一番しっくりいっているような。

これまで、MGC製品を数多く手がけた小林太三氏については、辰巳出版の「モデルガン・グラフティ」や雑誌等でインタビュー記事を目にすることも多く、その人物像や制作秘話を知ることが出来たのですが、MGC創業者の神保氏について、初めてその想いを知ることが出来、興味深い内容でした。

MGC製品については、当時の広告は載せてありますが、それについてはほとんど語らず、MGCという会社をつくった男として、創業から、行政指導・規制を乗り越え、映画・TV界の提供や、多くの提携や契約をして、万博出展からJAPANビアンキカップ開催をし、平成8年12月5日付けで清算し、株式会社MGCを解散を決定したで終わる。一つの時代を作り、やりきった男の記録というような内容であります。

それから13年半、MGC製品は生産・販売され続けましたが、それには触れておりません。台東商事や新日本模型と神保氏がどのように関わっていたかは判りませんが、書いてないということは、氏にとってはMGCは既に終わっているものだったのでしょう。

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一番多く触れていることが、規制についてであります。
「モデルガン」という名前を付け、それで商売をして従業員を雇い、まさに勝負を掛けていった物が規制により存続を脅かされて、裁判で戦っていったというのは、規制後にモデルガンの興味を持ち始めたに過ぎない私には判りえないことであったと思います。

モデルガンが金色であったからこそ興味を持ち始めた私でありますが、規制の事実を知るようになると、またいつしか規制があるのではないかと、それに向けて何か出来ることはないかとモデルガン愛好家協会に入会していました。

「モデルガンは弾の出ない安全なおもちゃ」でありますが、ユーザーの多くの関心が銃口より先の世界へ行ってしまい。モデルガン・メーカーも商売でありますから、エアソフトガンを中心に販売していくようになると、モデルガン愛好家協会も活動を休止してしまいました。それ以降、エアソフトガンの発売禁止や規制はありましたが、46年・52年規制についての話題が雑誌でも取り上げられることもなく、今回「MGCをつくった男」を読んで、久しぶりに思い起こすこととなりました。

エアソフトガンのパワー規制というは銃刀法以前に業界の自主規制によって、抑えられなければいけなかった問題ではなかろうか、モデルガンとエアソフトガンは別物であるが、こういったことは46年・52年規制が忘れ去られてきたからではないかと思ってしまう。

最近のモデルガンでも、タナカやコクサイのリボルバーのシリンダーのインサートが極めて小さくなっています。樹脂製リボルバーのシリンダーインサートは自主規制で無くても良い物なのですが、見た目としては小さい方が良いけど、これで良いの?という矛盾した気持ちが湧いてきてしまいます。80年代ごろからモデルガンのマズルにもライフルリングが再現されるようになってきた時に、これによってバレル内のインサートが奥まってしまっているのではないか、という指摘が雑誌の読者欄に書かれたこともありました。よりリアルなモデルガンは当然、欲していますが、それが規制の呼び水にならないようにしてもらいたいです。海外のトイガンのように銃口が赤くなるより、WAのSAAの様なバレルインサートの方が、はるかに良いです。

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MGCはカタログや販促用の冊子等に力を入れてきて、こういった面でも私達を楽しませてくれてました。

ここに来てモデルガンの新作も発売されるようになってきたのであるが、ハドソンに引き続きMGCも幕を閉じてしまうのは寂しい限りであります。現在活動中のメーカーは、さらに魅力ある商品を販売して、楽しませて欲しいものであります。

それをまた伸ばしていくかどうかは、私達ユーザーであります。新作のモデルガンが発売されても、中古ばかりに手を出していたら意味はありませんし、馬鹿な使い方をすれば、規制への引き金となってしまうことを忘れてはいけません。

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