M1ガーランド、ビクトリーモデルと米軍採用銃のモデルガンを紹介してきましたが、忘れてはいけないのがM1911。今回は復活した六研のガバメント。リアルマッコイ・アーモリーより発売されていたスプリングフィールドM1911です。
Gun誌1997年4月号の広告より
Gun誌にリアルマッコイのM1911の紹介記事が載ったのが1997年12月号で、同年の10月号には同じく六研プロディースのランパント・クラシックのSAAが紹介されています。この時代のGun誌は一部処分してしまったので、不確かですが製品の予約広告はM1911の方が早かったような・・・?
この時期、ピーメはどこのメーカーのを買うか探っていた時にランパントから発表され、高額であったが「六研」ということで飛びついたが、マッコイからM1911が発表された時は、コルトではなくスプリングフィールド。M1911A1より馴染みの薄いM1911ということで、これもまた「六研」ということに惹かれることはあったが、すぐには手を出せなかったです。
1997年の新春ブラックホールに、CAWブースを覘いてみたら、このマッコイのM1911の予約販売をしていました。興味はあるので近寄り、展示してあった現物を見た次の瞬間には「予約しますから、見せてください。」と言っておりましたw
そのM1911は黒深く、ABSのようでもありますが光沢は抑えられて、綺麗に刻印が打たれていました。金属パーツはさすがに広告のようなヒートブルー仕上げではないですが、充分満足出来る仕上げの展示物に、とにかく一目惚れして即購入決定となりました。
CAWの社長によると、次回生産はコルトM1911であるが、パッケージとかは簡素化するとの話であったので、それならスプリングフィードの方が良いと、コルトでないことの抵抗もなくなり、加工前のロックライトの塊同士を叩いて、金属みたいな音を聞かせてもらったりもして期待は高まるばかりでした。1999年に簡素化どころかさらに豪華になり、重量1010gスーパーロックライトのコルトM1911(価格¥93,000)の販売の案内が来た時は、驚くばかりでしたが。
その現物は初回出荷分の50丁のうちのひとつで、まだ初回分しか出荷しておらず、まだ数には余裕があるとのことで、その場で予約をして、後日振込をして、家に届くその日をまっておりました。
家に届いたのは春頃だったと思います。後期量産型・最終ナンバーから逆算し連番で打たれたシリアルNoは321番目の127591。
警告が書かれた白い外箱の中には、45オート読本のバインダー(中身は約2年後に届いた)の下に、実物同仕様のパッケージがあります。限定証明書、油紙に包まれたカート、分解ツール、シームレス一体溶接・炭素工具鋼鉄製マガジンは、BHで見たのと同じ輝きをしてまして、雰囲気はバッチリなのですが、本体はブラックホールで見た物とは別物でした。
グレーが掛かった本体に、光沢のある金属パーツに違和感が、そして擦れている刻印・・・これを購入前に見せられていたら、¥39,000も出して買っていなかったでしょうが、もうしょうがないです。とりあえず作動してみようとカートをマガジンにつめ、スライドを引いて手を離すと、フィーディング・トラブルが、、、マガジンを一度抜いて、処理して気を取り直し、スライドを引いてみると、またフィーディング・トラブルが、、、スライドを弄ってみると、かなりガタガタである。上の「六研、爆発。」の広告は嘘ですか、横から見るとスライドの隙間からリコイルスプリングも見える。ショップでHFのメガウェイトのガバメントを見せてもらった時にも、スライドの隙間からリコイルスプリングが見えて、幻滅したというのに・・・
何度やってもまともに装弾しないので、分解してみようとバレルベアリングを回してみようとしたら、今度は硬くて、少ししか回らない。もうお手上げなので、ザ・リアルマッコイズに電話をして、症状を話し修理に出すことにした。
物を送ってからも、電話で修理について何度か打ち合わせすることがあり、BHで見た物と別物だと文句を言って取り替えてくれも良いと言ったら、まだ出荷していない分はあるが、シリアルNoが早い方なので変えないほうが良いです。スライドを交換する方向で進めていき、刻印も出来るだけ、ハッキリ打たれている物にするということになった。修理の上がる予定の日を聞いておいたのだが、その日を過ぎても戻ってこない。また電話してみると、遅れていますが○○日位には・・・ということなのだが、その日過ぎても来ない。また電話するも、同じように○○日位には・・・との返事。こんなやり取りを何回も繰り返して、おかげでリアル・マッコイズの電話番号を暗記した位でした。
何ヶ月かすると、私もあきらめて電話しなくなり、1年以上が過ぎて、修理に出していることすら忘れかけていた頃に戻って来ました。
修理から戻ってきた時についてきた紙です。担当の名前はその時、電話で何度もお世話になった人の名前が書かれてました。
スライドのガタつきはまだあるが、比べてみるとMGC並だからまぁ良しとして、とりあえず動かしてみると、装弾に突っかかることもあるが、慣らしていけばそういうこともなくなったし、バレルベアリングも回るようになった。
もうこれは、故・六人部登氏本人が直接、修理・調整をしてくれたのだと、勝手に思い込むことにしてます。だから時間がかかったのだと、そう思えば、これ以上文句は言えません。
説明書に機械研磨・機械バフ・ポリッシュによって、黒染めした鉄鋼材のような鋭い艶と輝きで出ますとあり、エメリーペーパーでも可能ともあるだが、グレーっぽい色は気になるが高額なモデルガンに手をかけるのは抵抗があって、そのままにしていたのだが、今回、研磨スポンジと田宮コンパウンドの粗目・細目・仕上げ目で磨いたら、少し黒味が増してきて、前よりかはずっと良くなり、撮り方によっては青味がかって見える。今回、画像によって色味が違って申し訳ないですが、実際の見た目に近いのは最初と最後の画像です。
BHで見た物は、真っ黒であったのが、機械研磨されていたのだろうか?六研スレによると、最初の50丁は六研で組んでおり、後はタナカと書いてあった覚えが、BHの展示物は最初の50丁と言っていたし、表面仕上げもしてあったのかもしれない。
散々、文句を言ったので、スライドの刻印もしっかり打たれたものになりました。側面の後加工の跡、本物のヘアラインがわかるでしょうか?このヘアラインを下手に消したくなかったので、研磨によるドレスアップを中々、手を出せなかったのです。
ストックスクリューブッシングは別パーツです。説明書には「必ずネジに適合するドライバーを使って下さい。専用工具は使わないで下さい。ネジ溝を傷つけるのは『男子の恥』です」とあるのだが、手持ちのドライバーよりも、専用工具が一番、適合しているのですがね。でも回しづらいので、ドライバー使いましたけど。
「ROCKEN」の刻印があると、やっぱり嬉しくなってしまいます。
ほぼ、完全分解。マガジンキャッチを外す時に、ネジ溝を傷つけてしまいました。「男子の恥」ですね~私もまだまだです。
MGCやマルシンみたく、金属製サブシャーシを使用していない、重量(530g)よりも「本物性の再現」に拘っている。実銃との違いはプランジャーチューブがかしめ結合されてない点とバレル内インサート、ファイヤリングピン周りと安全対策の部分のみです。
ランパントのピーメの時にも書いてますが、真鍮ガバメントを所有している大先輩が何と言いましても、私にとっては、この2丁は「六研のガバメント」であり、「六研のピーメ」であります。
スズキのコマンダーと。現在のマルシンのガバメント・コマンダーも基本設計は故・六人部登氏によるものであり、これもまた1980年代の六研のガバだと思っていても良いと思います。
ガバメントのモデルガンと言えばMGC.。上、新日本模型の第2次大戦記念モデル(タニコバ的に言うとGM6)と下、MGCのGM2
マッコイM1911は「六研」だから、最高のガバメントのモデルガンとは思っていません。それぞれに良さがあり、これが最高とは言い切れなく、今その手にしているガバメントが、最高のガバメントのモデルガンと思って楽しんでおります。